ゼミでやったこと。 「日本のもの造り哲学」

☆要約
○まえがきについて
・この本は、現場から発想する戦略論とは何か、なぜ日本に必要なのか、どうしたら展開できるのかをまとめたものである。
・この本のキーワードは「組織能力」と「アーキテクチャ」である。

○第一章:迷走した日本のもの造り論
1、90年代の日本製造業論議(過剰反応の繰り返し)
1990年の自信過剰、2000年の自信喪失
・単なる「雰囲気的な悲観論」は建設的な議論を生まなかった。
・特に問題なのは、単純すぎる産業分析が多かったことである。
・経済が良いときには一番強い企業、悪いときには一番元気のない企業を指して「これが今の日本だ」と言い立ててしまう癖がある。
・動きを冷静に捉えるための分析枠組みや測定体系ができていないため粗雑な論議になりがちになる。

彼を知り、己を知る
・「彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず」という孫子の兵法の基本が日本産業論や製造業論には足りなかった。
・低賃金だけを頼りに中国に出ていった企業の失敗例は多い。ビジネスモデルを確立した上で中国に進出した企業は成功している。
・中国企業に関しては「日本と中国両方の拠点を活かしている企業」と「両方ダメにしている企業」の二種類になっている。
・要は「行き方」である。

下から見上げる戦略論
・90年代は地に足のついた現場発の「もの造り論」、「もの造り戦略論」が確立していなかったため視点がぶれた。
・もの造り現場の経営学、それは高度十メートルの高さから見る学問である。
・「現場発」の戦略論で「経済学発」や「欧米発」の戦略論を補完するような日本的な戦略論があってもいいのではないか。

2、既存の産業分類を一旦忘れよう。
・既存の分類だけでは競争戦略や産業ビジョンができなくなってきている。
・日本は化学産業に強くないが細かく分けていくと得意分野が出てくる。

3、アーキテクチャのメガネで見る
アーキテクチャに基づく戦略論
・「設計」という単純な事実から戦略論を再構築することが現場発の産業論・戦略論である。
・「擦り合わせ方」アーキテクチャの製品は特別に最適設計された部分を微妙に総雨後調整しないとトータルなシステムとしての性能が発揮されないような製品。
・「組み合わせ型」アーキテクチャの製品はすでに設計された「ありもの」の部品を巧みに寄せ集めると力を発揮する最終製品。
・組み合わせ型は「オープンモジューラー型」「クローズドモジューラー型」に分かれる。
・アーキテクチャをいう観点から見ていったほうが日本の長所短所という戦略競争の根本がよく見えてくる。

4、アーキテクチャ(設計思想)と組織能力の相性
・「すり合わせ方」の製品に日本が得意とするものが多い。
・戦後から育った「優良もの造り企業」は目前の市場機会を捕まえ、多少無理しながらも成長してきた。
・「長期関係主義」と「長期能力主義」を混同すると誤った分析を引き起こす。
・アメリカは「有能な人、完成度が高い人を組み合わせてスピーディにパワーを出す」モジュラー的なものである。

第二章:「強い工場・強い本社」への道
1、日産復活の意味
・21世紀の我が国製造企業の目指すべき道は現場の「もの造り能力」の強みを維持・発展し、弱かった本社の「戦略構想能力」を強化することによって強い工場と強い本社を両立させるものだ。
・部分横断型のプロジェクトチームや強力な重量級プロダクトマネージャーによる製品開発体制は日本の自動車メーカーの「十八番」である。グローバルスタンダードは日本にあった。
・ カルロス・ゴーンという人はシンプルな意味での「経営する意志」。「奇を衒うことなく、経営の中心線を外さない経営者」。常識的な現場重視、人間重視、目標重視、達成重視を高度に統一した「経営する意志」である。

☆筆者の意見
・昔は単純すぎる産業分析が多かったため、議論が粗雑になった。
・アーキテクチャをいう観点から見ていったほうが日本の長所短所という戦略競争の根本がよく見えてくる。
・21世紀の我が国製造企業の目指すべき道は現場の「もの造り能力」の強みを維持・発展し、弱かった本社の「戦略構想能力」を強化することによって強い工場と強い本社を両立させるものだ。

☆自分の意見
・著書にそのもの関しては、経験談や意見を適度に織り交ぜているため内容も例えもわかりやすいので取っ付きやすいと思った。
・調子が悪い時に大勢が集まると「やっぱりみんなダメだね」となってしまうのは日本の悪い所であるが、日本人の気質なので仕方がない部分でもあると思った。
・33ページ11行目辺りの文章はライブドアの事のように思えた。
[PR]
by lan-ran-run | 2006-04-24 15:47 | Study